こんにちは!まるたかです。
今回はドライバーの刃先にはネジの種類と同じだけ種類があるということで、どのような種類があるのかを見たことあるものからこんなのあるのかというものまでご紹介します。
この記事ではあなたが使うドライバーが適切な種類・サイズを選べているのか判断できるようになる為の内容になっています。
※ネジには大きく分けるとミリネジとインチネジがあります。インチネジはサイズや種類が若干異なります。今回はミリネジについての解説ですのでご了承ください。
ネジにフィットしたドライバーを使おう
まず、ドライバーには種類があることを知っておいてほしい。
簡単に説明するとプラスドライバーにはNo.0(ゼロ)〜No.4まであります。
他にもネジにはマイナスやヘックス、トルクスなどでそれぞれサイズがあります。ネジにフィットしたドライバーを必ず使いましょう。代用はネジも工具も潰れる原因になります。また怪我の原因にもなるので絶対やめましょう。
ネジの頭の形状の種類
ネジには次のような種類があります。
見たことないような形のネジ意外とあるんじゃないかと思います。
どんなところで使われているのか?
ネジの使い分けは大きく分けてこの2つのタイプを覚えておけばいいと個人的に思っています。
一般的によく使われているネジ
- 十字穴付き(プラス)ネジ
- すりわり(マイナス)ネジ
- プラスマイナスネジ
- 六角ボルト
精密機器などに使われているネジ
- 六角穴付き(ヘックス)ボルト
- 六角星形(トルクス)ネジ
どんなネジ?
十字穴付き(プラス)ネジ
一番よく見たことがある、ネジといえばこれ!と言ってもいいネジの代表みたいなものですよね。
ズバリ十字の溝がついたネジです。
最近はポジドライブネジといって普通のプラスネジのようでよく見るとアスタリスク(*)のような溝がついたネジもあります。見間違いがないように!
すりわり(マイナス)
その名の通りマイナスの溝がついたネジで、製造方法が切削加工でスリ割加工をしていることからすりわりねじといいます。
プラスマイナスネジ
こちらは一見プラスネジに見えますがよく見ると1辺がネジ頭の幅にすりわり加工されているんです。つまり、プラスドライバーでもマイナスドライバーでも回すことが可能なんです。
電気設備などに使用される機器類のネジなど繰り返しメンテナンスをするところによく見られます。
六角ボルト
その名の通り六角形の頭が付いたネジです。
六角形にすることでプラスやマイナスなど掛かりの少ないネジよりも強い力(トルク)を掛けることができるので金属同士の締結トルクの必要な場所によく使われます。
六角穴付き(ヘックス)ボルト
このネジは外周が円形で中に六角形の穴のあいたネジです。このネジの特徴は狭いスペースで使えたり、沈め加工されたものにも使えるのでフラットになりデザイン性の必要な場面でも活躍します。
トルクス(六角星型)ネジ
こちらは一見すると六角穴付きボルトに似ていますが、中の穴が六角の星型になっているんです。特殊な形をしているので車のホイール盗難防止やスマホなどの精密機器に使用されています。
揃えておくと便利なおすすめドライバーサイズ
プラスドライバー
十字穴付き(プラス)ねじに合わせたドライバーは下記のようなサイズがあります。
- No.00
- No.0
- No.1
- No.2
- No.3
- No.4
それぞれ次のようなネジサイズの範囲で使い分けます。
ドライバーのサイズ | ネジサイズの範囲 |
No.00 | M1.6以下 |
No.0 | M1.6〜M2.0 |
No.1 | M2.0〜M2.9 |
No.2 | M3〜M5 |
No.3 | M5.5~M7 |
No.4 | M7.5以上 |
ドライバーの種類って上の表のようにネジサイズ(ネジ山の直径)で覚えがちなんですが、ネジの頭の形状によって同じ径であっても溝のサイズが違う事があります。ナベネジだとM3はNo.2ですが、トラスネジだとNo.1みたいなことがあります。
そこでネジの種類ごとのプラスドライバーの選定一覧表を作ってみました。
No.0 | No.1 | No.2 | No.3 | No.4 | |
なべ 小ねじ | M2〜M2.5 | M3〜M5 | M6〜M8 | ||
皿小ねじ | M2〜M2.5 | M3〜M5 | M6〜M8 | ||
トラス | M2〜M3 | M3.5〜M5 | M6〜M8 | ||
プラスドライバーはM3ネジが使い分けのポイントになるサイズなのでNo.0~No.3までそろえておくと安心です。
マイナスドライバー
続いてマイナスドライバーです。
マイナスドライバーはすり割ねじの一文字の溝に合わせて回すドライバーです。
マイナスドライバーの刃先には次のような種類があります。
*表示は【刃幅×刃厚】です。
- 4.5㎜×0.6㎜
- 5.5㎜×0.7㎜
- 6㎜×0.8㎜
- 7㎜×0.9㎜
- 8㎜×1.0㎜
- 9㎜×1.1㎜
- 10㎜×1.2㎜
プラスドライバーとの違いは下記のとおりです。
- サイズ表記が幅
- ドライバーの刃先がネジとちょうど、もしくは広めのものを使う。
日本メーカーは刃先が9°のテーパー加工(刃先に向かって細くなるように斜め加工)されているのですが、海外メーカー例えばPBはフラット加工になっているんですね。なのでネジによって同じサイズなのに深さが足りず使えないドライバーがあったりします。
ボックスドライバー
続いてボックスドライバーです。六角ボルトに合わせて、先端に六角形のソケットがサイズ毎に付いているドライバーです。
ソケットのサイズは対辺の幅で呼びます。揃えておくと便利なソケットサイズと対応ネジサイズは次のような種類です。※ミリ(㎜)表記です。
ボックスサイズ(㎜) | 対応ネジサイズ |
5.5 | M3 |
7 | M4 |
8 | M5 |
10 | M6 |
表のサイズ以上のネジにはボックスドライバーよりもレンチやスパナなど他の工具を使わないと締めきれないと思いますので、そちらをおすすめします。
六角レンチ
*今回の記事ではドライバーの紹介をしていますがこの工具だけはレンチの方が使い勝手がいいのでここだけご了承ください。六角ドライバーもあるので気になる方コメントいただければご紹介します。
続いて六角レンチです。
メーカーによってヘックス(HEX)レンチやヘキサゴンレンチと読んでいますが『六角』を『ヘキサゴン(Hexagon)』と英語表記にしているだけです。
六角レンチは名前の通り六角形の棒型の工具です。サイズはボックスドライバーと同様で対辺の幅で呼びます。
揃えておくとよいサイズは次のような種類です。
- 1.5㎜
- 2㎜
- 2.5㎜
- 3㎜
- 4㎜
- 5㎜
- 6㎜
- 8㎜
- 10㎜
このサイズは9本組のセットを購入すると揃います。
六角レンチの適応するネジのサイズもプラスネジと同じで種類によって異なっています。下記の表を参考にしてみてください。
レンチ サイズ(㎜) | 六角穴付きボルト | 六角穴付き止めネジ | 六角穴付き皿ネジ | 六角穴付きボタンネジ |
1.5 | M1.6 M2 | M3 | – | – |
2 | M2.5 | M4 | M3 | M3 |
2.5 | M3 | M5 | M4 | M4 |
3 | M4 | M6 | M5 | M5 |
4 | M5 | M8 | M6 | M6 |
5 | M6 | M10 | M8 | M8 |
6 | M8 | M12 | M10 | M10 |
8 | M10 | M16 | M12 | M12 |
10 | M12 | M20 | M14 M16 | M14 M16 |
表の中で一般的によく使うのは六角穴付きボルトと六角穴付き止めネジだと思います。
簡単な覚え方をご紹介します。
ボルトはネジ径よりワンサイズ下(M4なら対辺3㎜という感じ)。
止めネジはネジ径の半分(M4なら対辺2㎜という感じ)。
星型(トルクス)ドライバー
トルクスドライバーは一見すると六角レンチと同じ形をしていて先端が六角星型になっているので見間違って購入なんてこともよくあるくらいよく似ています。
※『トルクス®』および『TORX®』は、米国アキュメント・インテレクチュアル・プロパティズ LLCの登録商標です。そのため一般的にISO 10664では『ヘクサロビュラー・インターナル』と呼ばれてます。ヘックスローブレンチやヘクスローブレンチとも呼ばれてます。
トルクスレンチもサイズは対辺の幅で呼びます。
この工具は形状が2種類あり六角レンチのような凹形に対応した工具をT型、ボックスドライバーのように反対に凸形に対応した工具をE型と呼びます。
E型はソケットレンチタイプがおすすめなので、今回はT型の揃えておくとよいのサイズで特に精密タイプのT型とネジの対応サイズを表にまとめてみました。電気機器ではよく使われているのでよければ参考にしてください。
精密T型トルクス (頭部のミリ換算サイズ) | 適応ネジサイズ |
T2(0.94) | |
T3(1.12) | |
T4(1.30) | M1.6 M1.7 |
T5(1.37) | M2 |
T6(1.65) | M2 |
T8(2.30) | M2.5 |
まとめ
ここまで記事を読んでいただきありがとうございます。
工具を使い始めて、先輩から教わりながら覚えてきた現場仕込みの知識でしたが、改めて規格などを調べてみるときちんと定められていたんですね。
25年以上ドライバーを使ってきましたが今回の記事を書くまでNo.4のドライバーの存在も知りませんでした…。そもそも、メーカーさんでラインナップにも載っていないので実情としては使っている人少ないのではないかと思いますが、予備知識として規格では存在するということで覚えておいてもいいと思います。
『同じネジサイズでもネジの種類が違うと工具のサイズも変わる。』
覚えておくことでネジの頭を潰したり失敗なくきれいに作業できるのでお勧めします。
全部をまとめて覚えておくのは難しいかもしれないので必要な時に繰り返し見ながら作業してもらえればと思います。この記事があなたのものづくりライフのお役に立てると幸いです。
それでは、今日はこんな感じで終わります。
最後まで見てくれてありがとうございました。
ネジ締め作業でトラブルは一番多いと思いますので、トラブルシューティング的に記事まとめておきました。もしよければ、事前に対策方法覚えてみてください。▼▼
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