こんにちは!まるたかです。
『ネジなんてドライバーをネジ穴に突っ込んで回すだけやし、簡単やん…』
『くるくる~…ガリガリガリ』
『あ”っ!?ヤバい、ネジ穴潰れて回されへんなってもたぁー!!』
ネジを締めたり緩めたりした時、こんなふうにネジの頭を潰したことありませんか?
ちょっと家で家電や子供のおもちゃのリモコンの電池を交換する時や、DIY初心者の方なら一度は経験あると思います。
そんな方にネジ頭の潰れた時の対処方法と潰れる理由、潰れない対策を状況別に解説します。
初心者の方は必見です。
最後まで読んでくれると嬉しいです。
ネジの頭が潰れた時の対処方法
身近なもので対処する方法
ネジ頭が潰れて困ることは突然起こることがほとんどです。
そんな時に身近なものですぐに対処できる簡易の方法を3つご紹介します。
- 幅が広めの輪ゴム
- ガムテープ
- 絆創膏
1.幅が広めの輪ゴム
一般的な輪ゴムでも二重にしたりすると若干使いにくいですが、問題なく使えます。
幅が太い方がきちんと押さえれるのでおすすめですので、身の回りで一番太めのものご用意ください。
- 外したいネジの頭に用意した輪ゴムを置きます。
- その上から輪ゴムを挟むようにドライバーをネジの頭の穴に差し込みます。
- そのまま、ドライバーが浮かないようにしっかり押さえながらゆっくり緩めます。
2.ガムテープ
次にガムテープを使った方法です。
- 外したいネジの頭にだけガムテープを2・3重に重ねて貼ります。
- ガムテープを挟むようにドライバーをネジの頭の穴に差し込みます。
- そのまま、ドライバーが浮かないようにしっかり押さえながらゆっくり緩めます。
この方法で注意点はネジの頭だけに貼り付けるようにしてください。
ネジの周りにくっ付くとネジが回らないので、周りはふわっと、ネジ頭はしっかりと貼り付けてください。
3.絆創膏
3つ目は絆創膏を使った方法です。
- 絆創膏を外したいネジの頭に貼り付けます。薄い場合は何重か重ねて貼ってください。
- 絆創膏を挟むようにドライバーをネジの頭の穴に差し込みます。
- そのまま、ドライバーが浮かないようにしっかり押さえながらゆっくり緩めます。
この方法もガムテープと同様にネジの周りはふわっと、ネジ頭はしっかりと貼り付けるようにしてください。
どれも簡単でしょ(笑)やってみてください。
原理は摩擦
こんなのでホンマに緩むの?って疑いたくなりますよね。
どれも原理は同じなんです。
ネジが緩まなくなった原因は引っ掛かりがなくなったから。
なので、引っ掛かりの代わりにすべり止めを挟むことで摩擦を利用して緩めるんです!
余談ですが、実はこれは靴のすべり止めでも使えるものなんです。良ければお試しあれ。
工具できちんと対処する方法
ここまでは簡易の方法なので条件によっては緩まないこともあります。
そこできちんと工具を使って確実に取る方法もご紹介します。
DIYをこれから始める人は特にネジを扱ってると、必要なタイミングは急に訪れます。この機会にぜひ揃えておいて損はないと思います。
ものづくりを25年以上やっていますが、いまだ稀に起こり活躍のタイミングはなくならないので持っていてよかったなと思うことは現役であります。
- ネジ頭を挟んで緩める。
- ネジ頭を叩いて緩める。
- ネジ頭に逆ネジを立てて緩める。
1.ネジ頭を挟んで緩める。
この方法はネジの頭が止めている対象物から飛び出している場合に使える方法です。
簡単にいうと『ネジの頭をペンチやプライヤーで挟んでゆっくり緩めていく。』これだけです!
ポイントはネジの頭を回すときに固くなったと感じたら緩めるのをやめて締まる方向に少し戻します。(ゴミを噛んでるかもしれないのでその対策です)
その後また緩めて、戻してを繰り返すと抜けます。
この方法でおすすめな工具を2つ紹介します。
1つ目は【ネジザウルス】
普通のペンチやプライヤーは滑り止めの溝が横方向にしかないので、工具を立ててネジの頭を掴み回そうとすると溝に沿って滑るのでうまく回すことができません。
そこでこの工具の出番です!
ENGINEERというメーカーの【ネジザウルス】です。
この工具の特徴はまさに先程のペンチの弱点を見事にクリアした縦溝です! 縦溝をつけることで滑り防止になり回せるんです。
ただ、掴んでいる間は握り続けていないといけないので握力に自信のない人には少ししんどいかもしれませんが、コスパ的にはおすすめ工具なので、工具箱に一つ持っておくと、もしものときの心強いアイテムではないかと思います。もちろん私の工具箱にも入ってます。
2つ目は【ロッキングプライヤー】
先程のネジザウルスは挟んでいる間は握り続けていないといけませんとお伝えしました。
そこでこの工具の出番です!
【ロッキングプライヤー】です。
この工具の特徴は名前の通り一度掴むとロックしたままになってくれるので握り続けなくてもいいんです。
ロックしてくれる分、少しネジザウルスよりは金額は高くなりますが、握力に自信のない人でもロックする一回だけ握ればあとは回すだけなのでおすすめですね。
2.ネジの頭を叩いて緩める
この方法はネジの頭が止めている対象物より沈んでいる場合や、ネジが固着して取れなくなった場合に使える方法です。
一般的に固着して取れなくなったネジは叩くと衝撃で緩むとされています。
そこで打撃系ドライバーの種類は簡単にいうと2つのタイプがあります。
- 叩いた衝撃で逆回転するドライバーを使う
- 叩いてネジの頭にドライバー先端を食い込ませ、溝を作る
ます1つ目は叩いた衝撃で逆回転するドライバー
【ネジはずしインパクトドライバー】です。
この工具の特徴は手で回す力が足りないくらい固着してしまっているときにば、ハンマーで打撃を加えることで逆回転してくれるすぐれものなんです!
続いて2つ目は叩いてネジの頭に食い込ませ、溝を作るドライバー
【貫通ドライバー】です。
普通のドライバーはグリップに先端(シャンク)を差し込んだものなので普通にグリップのおしりを叩くとグリップが壊れます。ところがこの貫通ドライバーは名前のごとく先端(シャンク)がグリップのおしりまで金属の軸心と貫通したドライバーなんです!
なのでドライバーのおしりを叩くとその打撃力が先端にきちんと伝わるのでネジにしっかり食い込んでくれるすぐれものなんです。見分け方はグリップのおしりに金属座がついてます。
普通のドライバーより少し金額は高いのと若干重たいですが、普通のドライバーとしても使えるのでドライバーをサイズ別で数本持ちたい人なら一本貫通ドライバーにしとけばいざという時に即戦力で役立ちます。私はものづくりを始めた頃に、このドライバーにかなり助けられました。今でも良き相棒ですね。
3.ネジ頭に逆ネジを立てて緩める。
3つ目はここまで紹介した方法でも緩まなかったときの最終手段です。
ネジの頭に穴を開けて逆ネジのネジ山を立てて抜くという方法です。
逆ネジを簡単に説明すると反時計回りに回すネジのことです。
逆ネジ?となった方に詳しく解説した記事がありますのでこちらの記事をご覧ください。▼▼
まず1つ目は【なめたネジはずしビット】です。
この工具の特徴はネジと工具を構造的に連結してしまうというイメージです。
連結してしまうのでまさに最終手段です!この方法では今まで紹介したものと違う点は電動ドライバーが必要であるという事です。持っていない人には少しコストが増える方法ですがほぼ確実に取れます。
また、注意してほしいのが使用するのは電動ドリルドライバーである事です。電動ドリルではできません。この方法は逆ネジなので時計回りしかしない電動ドリルではできませんので、くれぐれもお間違いのないように!
ここまででネジ頭が潰れた時の対処方法と工具の紹介をしてきました。
ここからはそもそもネジの頭がなぜ潰れるのか原因が気になる方もいると思います。原因とその状況にならない方法について簡単に解説していきます。
つぶれる理由とつぶれない対策を状況別に解説
ネジ頭の頭が潰れる原因としてよくあることは次の通りであることが多いです。
- ドライバーの使い方が違う
- まっすぐに入ってない
- 回す方向が逆
- ドライバーの先端が違う
- 締めすぎ(トルクオーバー)
- 焼付き
- 錆びて固着している
理由1.ドライバーの使い方が違う
ドライバーを抑える力が弱かっためドライバーが浮いて空回りしてネジの頭が潰れた。
対策:必要な力は7:3
ドライバーでネジ締めをするときに必要な力は2つある。
抑える力と回す力
この2つの力の割合は
【抑える力7:回す力3】
抑える力が重要なんです!
理由2.まっすぐに入っていない
ネジ穴に対してネジが斜めに捩じ込まれてネジ山が潰れてしまったため緩まなくなったが力ずくで回したのでネジの頭が潰れた。
対策:ネジを逆にまわす
はじめに真っ直ぐにネジが立っているのを確認すること。
いやいやいや…
これだけだと、そんなことわかってるわ!ってツッコまれそうなので未経験者に教えている簡単なテクニックをひとつご紹介します。
ネジを逆回しにするこれだけです!
これでまっすぐにネジが入ります。これはネジ穴にネジを入れる時に有効な方法なんですが、逆回しにするとネジ穴とネジの山がカチッとハマる瞬間があるんです。カチッとハマったあとは、そのまま締めていけばまっすぐに締まります。これはペットボトルやビンの蓋を締めるときにも使えるので試してみてください。私の家族も重宝しています(笑)
理由3.回す方向が逆
逆ネジに気付かずネジを緩めているつもりが、反時計回りに回して締め過ぎになりネジの頭が潰れた。
対策:右ネジか逆ネジか確認する。右ネジを緩めるのは反時計回り
右ネジの回す方は締めるときは時計回り、緩めるときは反時計回りです。
回す方向の簡単な覚え方は、水道のレバー式の蛇口でお湯を出すが締まる方向、水を出すが締める方向。
逆ネジは右ネジの反対回しです。右ネジか逆ネジかまずは確認してから作業しましょう。
理由4.ドライバーの先端が違う
使用するドライバーのサイズが小さいもの、もしくは大きいものを使ったためネジ穴の溝にドライバーのエッジが掛からずに空回りしてネジの頭が潰れた。
対策:ネジにフィットしたドライバーを使う
ドライバーには種類があることを知っておいてほしい。
簡単に説明するとプラスドライバーにはNo.0(ゼロ)〜No.3まであります。
家庭で持っていたほうがいいサイズはNo.1とNo.2があればそこそこ使えます。
他にもネジにはマイナスやヘックス、トルクスなどでそれぞれサイズがあります。ネジにフィットしたドライバーを必ず使いましょう。代用はネジも工具も潰れる原因なのでやめましょう。
理由5.締めすぎ(トルクオーバー)
力いっぱい締め付けた。または緩めるつもりが反対に回してしまいネジの頭に無理な力がかかって潰れた。
対策:決まったトルクで締め付ける。
ネジには材質や種類、サイズ毎に締め付け力(トルク)の範囲が決まっている。その上限を超えると締めすぎとなる。
簡単に説明すると小さいネジほど弱い力で十分なんです。
強い力で締める必要があるところにはでっかいネジやボルトが使われています。身の回りで説明すると高速道路や鉄道の柱に使われているのはものすごくでかいボルトですよね。
理由6.焼付き
ネジ締めをするとき、ネジ穴とネジの間に摩擦熱が発生する。ステンレスなど熱が伝わりやすい素材などによってこの熱で素材同士が焼き付いて固着してしまい回らなくなってネジの頭が潰れた。
対策:グリスアップする
ステンレスなど熱伝導率の高い素材を使うときには潤滑と放熱をするためにグリス(潤滑油)を塗布しておくと焼き付きにくくなります。
また条件があり、
- ネジが真っ直ぐであること。
- 高速で締め込まないこと。
もし高速で回す必要がある場合はグリスをたっぷり塗布しておくことをおすすめします。
理由7.錆びて固着している
ネジ穴とネジが錆びついてサビ同士が固着している。そのため回らなくなってネジの頭が潰れた。
対策:グリスアップする
こちらも焼付きと状況としては似ています。
鉄製のものを使うとサビが発生します。サビ対策に塗装したりメッキしたりしますが、やはり長期的に使用すると錆びます。そこで定期的にグリスアップして潤滑しておくことをおすすめします。
番外編:固着・焼き付きしたネジを外すには潤滑油を浸透させる
固着や焼き付いたネジを緩めるにも潤滑油を使います。
ネジ目に潤滑油を塗布して浸透するまで少し置きます。その後、少しずつ緩めてみると緩みます。緩めたあと少し締める方向に戻します。そうすることで固着したものが剥がれやすくなります。
もし一度で緩まなかった場合は何度か繰り返します。
ここで焦ってかたいのに無理やり回すと今度は焼付きの原因になりもっと手間がかかるので、『急がば回れ』です。確実にゆっくりと行いましょう。
まとめ
1.身近にあるもので対処する方法
- 幅が広めの輪ゴム
- ガムテープ
- 絆創膏
この3つの方法で共通するのはドライバーとネジの間に滑り止めになるものを挟み摩擦力を利用して緩める。
2.工具で対処する方法とおすすめの工具
- ネジ頭を挟んで緩める。
- ネジザウルス
- ロッキングプライヤー
- ネジ頭を叩いて緩める。
- ネジはずしインパクトドライバー
- 貫通ドライバー
- ネジ頭に逆ネジを立てて緩める。
- なめたネジはずしビット
3.ネジの頭が潰れる理由と対策
- ドライバーの使い方が違う
- 対策:抑える力7:回す力3
- まっすぐに入ってない
- 対策:ネジを逆に回す
- 回す方向が逆
- 締めるときは時計回り
- ドライバーの先端が違う
- ネジにフィットしたドライバーを使う
- 締めすぎ(トルクオーバー)
- 決まったトルクで締め付ける
- 焼付き
- グリスアップする
- 錆びて固着している
- グリスアップする
- 番外編:固着・焼付きの対処方法は潤滑油を浸透させる
今回はネジの頭が潰れた時の対処方法とネジがつぶれる原因、つぶれない対策について解説しました。
ネジを使うときには必ず起こり得るトラブルなので、今回の記事があなたのものづくりライフに一つでもお役に立てれば幸いです。
それでは、今日はこんな感じで終わります。
最後まで見てくれてありがとうございました。
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